【新唐人2013年1月8日付ニュース】昨年11月第18回共産党大会以降、中国共産党政府は、反腐敗運動を大々的に行っています。“ウオール・ストリート・ジャーナル”の近日の報道によると、金持ちの中国人がトランクで現金をカナダやアメリカに移しているそうです。アナリストは、中国共産党のいわゆる反腐敗とは内部の権力闘争にすぎず、腐敗対策が進むほど、汚職官僚の資金持出し・海外逃亡が増えるだけだと指摘します。
カナダの国境サービス局が、ウオール・ストリート・ジャーナルに提供した資料によると、2011年4月から2012年6月初旬まで、カナダのトロントとバンクーバーの両空港で押収された、中国公民の未申請の現金は約1,300万ドルに上り、同期の両空港の押収現金の59%を占めたといいます。
また、米国税関国境保護局のデータによると、2009年から2011年まで、押収された中国公民の未申請現金は500万ドルを超え、空港における押収現金のナンバー2の元となっているそうです。
空港で押収されたこれらの現金は、中国の資金が海外に流出したわずかな一部分にすぎません。2011年末、海外のメディアは、中国に金持ちや高官の資金持出・海外逃亡という現象が現れたと相次いで報道しました。中国共産党の官製データによると、1990年代中期以降、海外に逃亡した汚職官僚はおよそ1万8,000人、持ち出された金額は8,000億元に上ります。
最近、共産党中央政治局は反腐敗工作会議において、個別の指導幹部、特に高級幹部の紀律違反・法律違反が酷いと指摘。習近平総書記も、今後、立件を強化し、汚職事件があれば必ず捜査し、腐敗があれば必ず処罰すると強調しました。
これに対し、世界自由情報運動のサイト創設者・張新宇(ちょうしんう)さんは、反腐敗は共産党内部の権力闘争の反映であると指摘します。
「世界自由情報運動」創設者 張新宇さん
「中共は自ら言っています。『鉄砲から政権が生まれ、後ろ盾となるのは武力だ』。だから全ての動き、例えば反腐敗などは内部派閥間の闘いの表れです。こんなに多くの汚職官僚が海外逃亡するのも、習近平と闘っている汚職官僚が自分の将来が見えてきたので、海外に逃げているのです」
一方、腐敗対策が進むほど汚職官僚の海外逃亡が増えるだろうとの意見もあります。
中国民衆 李さん
「これら官僚は体制内の人間で、将来いつか自分がしたことに責任を負わされ、制裁を受ける日が来るとわかっています。だから逃げ道を探し出さざるを得ず、それが海外逃亡です。この現象は今後もさらに増えるでしょう」
多年にわたり、中国人が持ち出した現金は、バンクーバーやトロント等、カナダの大都市の不動産市場を支える役割を果たしています。
新唐人テレビがお伝えしました。
(翻訳/松本 編集/坂本 ナレーター/村上 映像編集/工)